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名古屋大学グローバル人材育成プログラムはグローバル人材を育成するプラットフォームを提供します

nughrdp@outlook.com

Furo-cho Chikusa-ku Nagoya City 464-0814

概要Outline

プログラムの概要をご案内しています(リンク先はこちら

1.はじめに

「グローバル人材」養成が社会的に広く求められるようになる中、名古屋大学大学院経済学研究科・経済学部では2008年9月に産学連携担当教員(民間企業出身)と協力企業を中心にコンソーシアムを組織し、独自教材の作成・出版、国際経営の最前線に立つ方々による講義の新設、優秀学生の海外派遣などの試みを行ってきました。近年グローバル人材育成プログラムの受講者が大学を卒業し各企業活動の最前線で活躍を始めています。この教育プログラムは,名古屋大学では初の試みである上、日本国内でもあまり類のないプログラムとして新聞等のマスコミ報道、他の機関による視察も多く受けています。

2.グローバル人材育成プログラムの概要

2-1 プログラムの特徴

 プログラムの教育目標として「グローバル経済の実態を知ること」「グローバル経済の実態と経済理論の関係を考察すること」「財務諸表を英語で読める訓練をすること」という3つを掲げています。学部生向けの中心的講義として,「グローバル・マニュファクチャリング・マネジメント(GMM)」「グローバル・ファイナンス・マネジメント(GFM)」「グローバル・ロジスティック・マネジネジメント(GLM)」の3科目が,2009年4月に開講されました。
 まず、GMMについては、名古屋大学は世界最大級のモノつくりの産業主席地に所在しており、就職、共同研究などあらゆる立場から、グローバルなモノづくりが、いかなるものか理解することは最重要です。この講義では、自動車産業を主軸に、トヨタ生産方式などモノづくりの中核に関する講義に加え、部品、素材、プラントメーカーの業態を解説し、サプライ・チェーン全体を学生に理解できるように設計されています。

 GFMは、グローバル経済における金融の影響の多大さを踏まえて開講されています。専門用語の羅列を避けるため、大学院生が学生目線で作成した専門用語集を副教材に使用し「商業銀行中央銀行、証券取引がなぜ存在するのか、いかなる役割を果たしているのか」といった基本中の基本の理解を目指します。

 GLMは、グローバルなモノやカネの流れを結び付けるロジステイックスの基本的な知識と理解が、貿易立国という日本を俯瞰する上で重要であるという認識の下に開講されています。海運や国際通商、その中で考慮すべき保険やリスクマネジメントを含めた、広い意味でのロジスティクスに関する講義が専門的実務家からの情報提供も踏まえて行われます。

 講師と学生のインタラクティブ性を担保するため、各講義の受講生の数は上限を設けています。また、受講生の動機づけを促進するため、各講義の成績優秀者は、学生による費用負担はない形で、協力企業海外事業所の見学ツアーに参加し、その成果を協力企業、学生、教員に向けてフィードバックしています。

 3科目の講義は、SkillやKnow Howに焦点を当てた講義であり、知識偏重になることは避けられません。そのため,これらの講義を補完し、かつ同時並行とする形で、2年生を対象に「クリエイティブ・コミュニケーション」という講義を設け2010年度より開講しています。そこでは,「なぜグローバル人材を目指すのか」について学生一人一人が考えて答えを出す、つまりSpiritやKnow Whyを引き出すことを目指しています。

 また,財務諸表や英語についての基礎知識の習得のため、『英語でわかるはじめての財務諸表40日トレーニング』(アルク出版)という書籍を用いて講義のみでなく「独習+毎週小テスト+期末テスト」という形式での学習を促しています。この書籍は、学生と協働で学習する目線で執筆、出版したものです。

 講義の内容のほかに特筆すべきものとして,講義に臨む実務家講師たちの姿勢があります。講義中の学生の反応やアンケートの結果を踏まえた「カイゼン」を真剣に行っており、受講生の反応は年々目に見えてよくなってきています。例えば、受講生による評価は企業ごと、講師ごとに行われていますが、評価が高い講義を他の実務家講師が見学するといったことが自発的に行われています。

 また,各協力企業は第一線で活躍される人材が選抜されています。この背景には「我々として参加すると決め,大学側も積極的にプログラムを組む姿勢を見せている以上、こちらとしても剣にやらせてもらう」という協力企業側のスタンスがあります。

2-2 プログラム成立の経緯

 産官学の連携を強化するという目的の下、民間企業(総合商社)で勤務してきた西村眞氏が名古屋大学大学院経済学研究科の産学連携担当教授として、2007年4月に採用されました。以降西村教授は、他の教員や民間企業、各種団体との意思疎通を図りながら,グローバル人材育成のための教育プログラムや、それを編成し、運営するためのコンソーシアム(グローバル人材育成協議会)を組織していきました。

 なお、グローバル人材育成協議会は、トヨタ自動車、三井住友銀行、三井物産、新東工業からなる「理事会員」を中心とした10あまりの企業の担当者と、名古屋大学大学院経済学研究科・経済学部の複数の教員からなる組織です。第1期(2008年4月〜2011年3月までの3カ年)については,各企業は原則として「会費」という形で教育プログラムの編成、運営のための資金提供を行いました。大学側(部局単位)も資金提供を行い、運命共同体として緊密な連携を取る仕組み作りや意識共有が図られました。その背景には,内山田トヨタ副社長(当時)による「企業側への「丸投げ」では、実業界にも貢献する意欲がなくなる」というご発言がありました。

 すでに紹介したグローバル人材育成プログラムの概容は、西村教授の着任時、あるいは協議会(2008年10月)ないしはその前身・母体である理事会(2008年9月)の立ち上げ時から確定していたわけではありません。当初は「産学官連携を強化するための教育プログラムを立ち上げる」という大まかな目標しかなく、大学側の仮説として「社会人教育」ということが一時抱かれていました。そこには「グローバル人材」という色彩はありませんでした。

 西村教授や協働する他の教員が、企業や各種団体と意思疎通する中で,大学として思いもよらなかった現実が浮上して来ました。ヒヤリングの相手(その多くが中部地方に本拠を置く企業)が、「名古屋大学の学部生の社会人としての絶対的、相対的なクオリティが低下してきている」ということが度々示されたのです。

 特に中部地方の企業や公共団体にとって、旧来「名大生」は何が何でも採用したい人材でした。「名大」の採用ブランドは、同大学出身者が30歳後半から40歳前半の経営に携わる年代になってから本来の力を発揮する「大器晩成型」が多いという点に裏付けられて来ました。特に、モノづくりの関連企業は、斯様な粘り強く、決して諦めない性格を重視してきたと言えます。

 しかし近年では「財務諸表を読む専門的技能を全く身につけていない」「海外赴任を嫌がる」「大学が英語教育に力を入れていない」といった否定的な評価が示されることが多くなってきたのです。これらの側面で、関東や関西の有力国公立、私立大学に後れをとっていることが、初めて大学側の自覚するところとなりました。企業側が大学に望むものが「従業員の再教育」ではなく「優秀な従業員予備軍の送り出し」であったこと、経営のグローバル化の中でその色彩がさらに強くなってきたことが、ヒヤリングの中で明らかになってきました。

 ヒヤリングを終え、理事会(のちに協議会に発展)が編成される頃には「グローバル人材を目指した学部生教育」という方向性、それを目指した協働作業への意欲の強さの双方において、企業側と大学側での整合は明確なものとなりました。見方によっては奇妙なことかも知れませんが、整合という事実が、各カウンターパートの意欲をさらに促進する、ということすらあったのです。

 実際に教育プログラムを編成するに当たっては、学生(大学院生も含む)が教育プログラムの妥当性を受講者目線から常にチェックして来ました。必要に応じて協議会に参加し、協力企業や担当教員に対面でフィードバックを行ってきました。

 こうした過程、さらには実際の教育に携わることの企業側のメリットは,単に「学生を育てる(その成果の一部を学生の採用を通じて自社が回収することができる)」という点に留まりません。すなわちこうした集まりに参加し、他企業との切磋琢磨を通じて、講師個人が自社のあり方を、絶対的および相対的に理解することが可能になるのです。各企業が第一線級の社員を送ってきた背景には,こういった「自社のアピール」を越えた効果が潜んでいます。

2-3 プログラムの成果

名古屋大学経済学部の学生における,形式的なスキルや行動の面での変化として,英語や財務諸表のリタラシー向上が顕著に見てとれるようになりました。また,受講をきっかけとして,一部の学生が新聞(特に日経)からの情報収集行い,現実のグローバル経済に対する関心を高める傾向が表れ出しました。

「海外研修旅行(成績優秀者限定)」というインセンテイブの効果である可能性も高いが,3つの講義の受講者の約3分の1(合わせて20名余り)は、教員が期待する以上の学習を毎年行っており、その成果はレポートや英語のテストの結果からも明らかです。

 より表出しにくい,姿勢や考え方に関して言えば,様々なバックグラウンドを持つ企業人と直接接し,それぞれの企業の属する業界の概要を知るに従って,自分自身の将来の就職について,より具体的かつ現実的に捉えるようになりました。企業人と直接対峙することは,一般的なマナーや言葉遣いなどの改善という副次的効果も生み出しています。

企業側にとっても、グローバル人材育成プログラムに参加することのメリットはあります。上述の人材育成効果の他にも,採用活動の際の「目利き」の力が上がっています。具体的には、現実の大学生と直接接することにより,各企業の学生に対する理解が深まっています。その結果,学生の本当の力を捉えられるような,より現実に即した質問を行えるようになっています

3. グローバル人材育成協議会

プログラムは、趣旨にご賛同頂いた国土交通省、企業、金融機関などの支援と 寄付講義で成り立っています。2016年度の協議会委員は下記の通りです。   (順不同)

三井住友銀行、野村證券、日本政策投資銀行、日本銀行、三井物産、デンソー、トヨタ自動車、新東工業、富士通、 大同特殊鋼、三井化学、豊田通商、名港海運、DMG森精機、損保ジャパン日本興亜、ブラザー工業、国土交通省
、  中部電力、日本通運


4. プログラムの内容

CEO

グローバル人材育成プログラムは「グローバル・マニュファクチャリング・マネジメント」、「グローバル・ファイナンス・マネジメント」「グローバル・ロジスティク・マネジメント」の3教科から成り立っており、各々の科目で第一線の現場で活躍する講師が企業・金融機関・官公庁から派遣されてきます。成績は、課題レポート(必修および選択)、期末試験により付与されます。なお各科目の成績優秀者2-3名がタイ・シンガポールの研修旅行に企業により招待されます。講義の他に課外活動も重視しており、講師派遣企業の工場見学などを実施しています。


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